SURLY STRAGGLER (サーリー・ストラグラー)
このバイクは、シクロクロスなのか?はたまたグラベルバイクなのか?・・・どっちで呼んでも良いと思うけど悩ましい。
ディスクブレーキのシクロクロスが登場して以来、その可能性はどんどん広がりを見せ、シクロクロスからグラベルバイクが派生しただけにとどまらず、ロードプラスなんかも登場しました。
上の「SURLY STRAGGLER」、メーカー完成車の状態だと「グラベルバイク」ってのが個人的な見解です。(別に正解ってわけじゃありません)。
ややボンヤリ~っとですが、「シクロクロス」「グラベルバイク」「ロードプラス」の違いを考えてみたいと思います。
★「CYCLOCROSS」シクロクロス★
「シクロクロス」はフランス語読みらしく、英語圏の人は「サイクロクロス」なんて言ってたと思います。今回挙げた様々な車種も大元はシクロクロスと言って良いかもしれません。
ALL-CITY MACHOKING (オールシティ・マッチョキング)
狭い意味での「シクロクロス」はシクロクロスのレースレギュレーションに合致したレース用車両ってことになります。ドロップハンドルで700cホイール、タイヤの横幅は33mm以下。
で、2014年の動画ですが、シクロクロスのレースシーンをまとめたものを↓↓
雪だろうが、泥だろうが、33mm幅の細いタイヤでガンガン競います。非常にストイックで格好良い競技です。
レース時間は最高カテゴリーでも1時間程度。公園なんかの特設会場にコースを設けるので狭いコーナーが多く、加速重視、クイックな操作性が求められます。思いっきりレース向けの車体は、慣れてない人が乗るとフラフラするかもしれません。1時間レースじゃ水を飲んでるヒマもないので、極端なレース専用車はそもそもボトルケージも付けられない!
その点、ウチの店で人気の「ALL-CITY」のシクロクロスは、極端なレース専用設計になっていないので、タイヤを変えればロードバイク的にも使えるし、レース規則を無視して太いタイヤを履かせればグラベルバイクとしても使えます。
★「GRAVEL BIKE」グラベルバイク★
日本じゃグラベルロードって言ったりもしますし、アメリカじゃ”GRAVEL GRINDER”なんて言い方もします。
NINER RLT 9 STEEL (ナイナー・RLT9スチール)
広大な国土を持つアメリカじゃ、めちゃくちゃ長い未舗装路がたくさんあるようで、そんな道を走るレースが盛んです。ヨーロッパ生まれの各種自転車レースと比べて、アメリカのレースはあんまり規則は厳しくないようで、シクロクロスでもマウンテンバイクでも参加OKってノリらしいです。ハードな長距離レースに合わせて、シクロクロスをベースに長距離を走りやすいように設計を改めたバイクがグラベルバイクだと思っていただければよいと思います。未舗装の砂利道(GRAVEL)を走るアメリカ最高格のレースが「DIRTY KANZA 200」。200はKmじゃなくMileです。砂利道メインの320kmのレース!
ハードな長時間レースなので、長距離向けの安定志向の設計。33mmのタイヤのクッション性では長距離ライドには役不足なので35mm~45mmくらいの幅のタイヤを使います。
・・・こんなハードなコト、日本じゃできないでしょ・・・って思うでしょうが、単純に長距離向けの安定志向の自転車って非常に乗りやすいです。オススメです。未舗装路が得意な長距離向けバイクなので、普通のツーリングライドにとどまらず、キャンプライドやアドベンチャーライドに使えるってことで、オプション装着用のダボ穴が多数設けられている「NINER RLT 9 STEEL」や、冒頭の「SURLY STRAGGLER」なんかは、真の多用途モデルと言えます。
★「ROAD PLUS」(ロードプラス)★
アメリカの自転車界の風雲児な立ち位置になっちゃったタイヤ&パーツブランド「WTB」が提案。太いタイヤが装着できるようになったグラベルバイクに太いスリックタイヤを装着してみては・・・ってことで登場しました。グラベルバイクのほとんどはディスクブレーキです。ディスクブレーキのバイクはホイールサイズの変更がしやすいのですね。で、MTBで増えてきた27.5インチ(=650B規格とも言います)にホイールサイズを小さくして、ホイールが小さくなった分、太いタイヤが使える!こんな発想です。
CORNER BIKES GRAVEL / ROAD PLUS(コーナー・バイクス フルオーダー グラベル/ロードプラス)
昨年、突如としてWTBが発表・提案した ロードプラスタイヤ「HORIZON」(ホライゾン)は650b x 47mmサイズ、他社のロードプラス系タイヤも650b x 48mm など、ほぼ同じサイズです。上の写真のバイクのタイヤは「COMPASS」(コンパス)の650b x 48mm です。既存のシクロクロスやグラベルバイクに装着できそうな、できるだけ太いサイズってことで決まったこともあるでしょうが、タイヤの外径が700 x 30c に近いという点も重要です。タイヤは太くすれば、タイヤ外径も大きくなります。700cホイールのまま太いタイヤにすると、タイヤ外径が大きくなって、平地のスピードに乗った時なんかは最高に気持ち良いですが、傾斜のキツイ上りではロード系のギア比じゃペダリングが重く感じます。ロードプラスのタイヤの外径はロードバイクのタイヤよりやや大きい程度なので、上り坂でギアが足りずに苦しくなる可能性は少なくなります。
外径はロードのタイヤよりやや大きいと言った程度ですが、横幅やエアボリュームは全く違います。このエアボリュームの豊富さから来る、乗り心地の良さが魅力です。そして、空気圧次第でフィーリングが大きく変わる点もポイントですね。高めの空気圧ならタイヤの変形量が少なく、接地面積も小さく、走行抵抗が少ない。空気圧を下げれば、タイヤが変形して接地面積が広くなり、グリップが高くなる。このタイヤなら雨天や舗装の悪い道でも安心だし、グラベルなどの簡単なオフロードも楽しめます。
何かのレース用ってわけではないですが、気持ちよく楽しく走りたいライトなユーザーにも良いし、あらゆるコンディションが考えられるハードな長距離ライドに臨むストイックなライダーにも良いでしょう。
非常に新しいジャンルのロードプラスなのですが、さらにロードプラスにプラスな動きが出てきています。
650b x 47~48mm程度のロードプラス系のタイヤに低めのブロックパターンをプラスして、オフロードの走行性能を上げたタイヤです。(上段:パナレーサー・グラベルキングSK650Bx48、下段左:WTB・バイウェイ650Bx47mm、下段右:テレネ・エルウッド650Bx47mm※画像は700x40cサイズ)
ドロップハンドルにMTB向けのブロックタイヤを装着した自転車を「モンスタークロス」なんて言います。この手の「オフロードパターンのロードプラス」を「モンスタークロス」って言うのか?は微妙・・・新しすぎてなんて呼べば良いのかわからないんです・・・本当に続々と新しい発想のモノが登場してきます。(近々、また改めて紹介しますね)
★グラベルバイクがあれば・・・★
ここまで読んでいただければ、見えてきたのじゃないかと思いますが、シクロクロスから派生し、太いタイヤが装着できるように作られた「グラベルバイク」があれば、いろんなスタイルのバイクに改造できます。シクロクロスレースで成績を残したいならレース専用車が良いとは思いますが、そうでなければグラベルバイクでもシクロクロスはできます。ロードプラスは太いタイヤを使うので、グラベルバイクの方がシクロクロスよりも改造しやすいですね。シクロクロスだとロードプラスタイヤがギリギリ付けられない・・・なんてケースが散見されます。
そういったことでオススメのバイクは、前出の「SURLY STRAGGLER」(サーリー・ストラグラー)や「NINER RLT 9」(ナイナー RLT9)。・・・などなどに加えて・・・
「ALL-CITY Spacehorse Disc」(オールシティ・スペースホースディスク)もタイヤクリアランスに余裕あるのでいろんな改造ができると思います。
スペースホースに続いては、穴馬(ダークホース)を!
26インチタイヤ向けの設計の「SURLY Disc Trucker」(サーリー・ディスクトラッカー)は、タイヤクリアラスが大きく、普通は出来ないホイールのインチアップが出来てしまう珍しい自転車です。700cのグラベル化は厳しいでしょうが、650bのロードプラス化など様々な可能性があります。
実際、どのバイクにどれくらいのタイヤが装着できるのか?は、機会を見て、いろいろ試して情報を蓄積中です。ご相談くださいね!
とにかく、いろんな可能性を否定しない自転車があると、いろいろと挑戦したくなって飽きることがありませんよ!
皆さまのご来店お待ちしております。
大阪、ミナミ、北堀江でスポーツバイク、自転車のことなら何でもご相談下さい!
特に” SURLY ” (サーリー)や” All-City “ (オールシティ)を得意とし、店内にはシンプルなクロモリバイクを中心に、マウンテンバイクやロードバイク、クロスバイク等を多数展示中!
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